クラスがまとまらない!そんなときできること、5つ

新年度から少しずつクラスの子どもたちと信頼関係を築いてきたつもりなのに、何となくクラスが落ち着かない…子ども同士のトラブルが多い…一日中叱ったり促したりばかり…そんなクラスのまとまりのなさに悩んでいる保育士さんはいませんか?そんなときはどうしたらよいのでしょう。改善できるポイントを探ってみましょう。

目次

困っていることは何? 様子と原因を書き起こしてみよう

クラスの様子で困っていること、悩んでいることなどをメモに書き起こしてみましょう。箇条書きでも構いません。まずは冷静に自分がどんなことに悩み・困っているかを明確にしてから、原因と対策を考えましょう。 考えられる困ったことは、どのようなことでしょうか。

①子ども同士のトラブルが多く、保育士の手が足りない

ケンカや保育士への言いつけが多く、丁寧に関わっていると他でも同じようなことが起こってしまい収集がつかなくなってはいませんか?
けんかの仲裁は短時間で終わらせることは難しく、簡単に終わらせてしまうと子どもの心にしこりが残ります。何があったのかという事実と、双方の子どもの言い分をよく聞かなければなりませんね。

また、「先生、●●ちゃんが〇〇した~」とトラブルを保育士に訴えてくることもあります。そんなときもしっかり聞いてあげようとすると、クラスのほかの子どもたちを置いてけぼりにしなければならなくなってしまいますね…

複数担任の場合であれば、トラブルや訴えをもう一人の保育士が対応できますが、一人でクラスを受持っている場合は大変なことでしょう。保育士がもう一人いてくれたら…と考えてしまいますね。

②一日のスケジュールが上手く回せない

一日のスタートからお帰りまでのスケジュールが、なんとなくぎこちなく、時間が足りなくなったり余ってしまって、そのたびに子どもたちがざわついたり持て余してしまうことはないでしょうか。

大まかなスケジュールを立て、時間の見通しを持って臨んでいるはずなのに、なぜか上手くいかないことが多く悩んでいる人がいるかもしれません。

③手助けの必要な子どもが複数いる

生活面の自立がすこしゆっくりな子ども、発達に遅れがあって声かけや促し・寄添いが必要な子どもなど、集団生活に馴染めず困っている子どもが何人かいませんか? そんなときもその子どものフォローと、クラスの子どもたちとの保育の板挟みになり、大変な思いをしていることでしょう。

④長期のお休み開けが原因のことも

ゴールデンウィークやお盆休み、ちょっとした連休の後は、家庭で家族と過ごしたため生活リズムが保育園と違います。そのため、リズムが崩れたり、家庭が恋しくなったりしているのかもしれません。

⑤保育士の不安や悩みを感じ取っている

子どもの中には、保育士の不安感や悩みを抱えている気持ちを表情や態度から感じ取り、子どもも不安を感じてしまうことがあります。そのためクラスが落ち着かなくなってしまうことはよくあることでしょう。

対策はのポイントは、保育士の増員と日々の工夫

クラスの現状と自分の抱える悩みについて、箇条書きでも良いので書き出してみると、意外と見えていなかったことや感じ取れていなかったこともわかってくるでしょう。
「クラスが落ち着かない」「子どもと意思疎通ができていない」と漠然と悩んで慌てる前に、現状を具体的に把握することで、解決策が見えてくることがほとんとです。

それでは、クラスが落ち着くようにするためには、どのような対策ができるのか詳しく考えてみましょう。

①クラスの状況を冷静に把握しよう

保育士はクラスがまとまらないと感じる理由のひとつに、ほかのクラスや保育士と自分を比べたり、ほかの職員の目をきにしているということが挙げられます。
まずは、小さな目標を自分の中で設定し、ひとつひとつゆっくりとこなしていきましょう。

子どもを急に落ち着かせることはできないもの。また、大声での促しも効果がありませんね。少しずつでも良いので、ゆっくりと深呼吸しながら子どもたちに声をかけたり、楽しいお話をしてみましょう。

また、一斉に集中させたいときは声かけだけではなく、ペープサートや指人形、歌遊びや、手品など、ちょっとした保育のワザもふんだんに取り入れていきましょう。

②一日のスケジュールと保育の方法を見直そう

一日のスケジュールをもう少しゆるやかにしてみましょう。そして、スケジュールについて子どもたちにも説明します。できれば、見えるところに一日の流れを書いたり、貼っておくといいですね。
次はどうするんだっけ?何時から何をするのかな?という促しに、子どもも少しずつ見通しを持てるようになるはずです。

また、次の行動へ移るまでの切り替える時間を少し多めに設けてみましょう。時間に余裕ができると、子どもや保育士にも余裕ができますよ。

さらには、一日の中でメリハリも大切です。次の活動へ移る前はしっかりと集中させる、遊ぶときは保育士も思う存分体を動かして遊ぶ、とメリハリのある活動を心がけてみましょう。

大きな声での促しばかりを繰り返すと効果がなくなってしまいます。ときにはわざと小さな声で話したり、口パクで話して見せることも効果的。「あれ?先生何か言ってるかも?」と子どもが次々に気づいて集中したり、興味を持ってくれるようになります。

このような楽しい促しもときには大切です。

③落ち着かない装飾や周囲の音をすくなくしてみよう

子どもの中には、保育士の後にある掲示物や壁面制作が気になって、集中できなかったり、不快に感じてふらふらと歩き回る子どももいます。

音楽をかけている場合はストップしましょう。
また、話しを集中して聞かせたいときは、保育士の背面に装飾や掲示物がない場所に立ち、話すようにしてみてはいかがでしょうか。

④保育士を増員してもらおう

どうしてもクラスの運営が大変でなかなか解決できないこともあるでしょう。もしも一人でクラスを受持っている場合は、一日中は難しいとしても、お昼の準備の頃からお昼寝まで、お昼寝から起きてから午後の遊びに入るまでの片付けなど節目の時間に保育士を増員してもらいましょう。

職員会議や打合せなどで、クラスの様子を話し、場面の切替え時間だけでもなんとかお願いできるよう話し合ってみましょう。

⑤大切なことは、「子ども本来の姿」をしっかり受け止めること

クラスの運営に困ったり迷ったりする子どもの姿。
乱暴・集中しない・喧嘩が絶えない・話しを聞けないなど、保育士にとって問題と感じる姿には、どのような理由があるのでしょうか。
一人ひとりの子どもの性格や個性が違うように、抱える問題や子ども自身の悩み、家庭環境は全て違うでしょう。
一概にこれが理由であるとは言い切れません。
ですが、目の前にいるその子どもたちの姿がその子どもの「今の姿」なのです。

困った子ども、扱いにくい子ども、まとまらないクラスと感じるのは子ども一人ひとりではなく、全体として見てしまうからではないでしょうか。

どうか、子ども一人ひとりにゆっくりと目を向け、どんな関りが必要なのかもう一度見直してみましょう。固定概念を取り払い、その子どもの本来の姿を見つめ、必要な関りを考え、声かけや目配りなど、自分にできることから始めてみましょう。

子どもは大人の関りや捉え方が変わると、目に見えて変化していくものです。
そのように保育士・子どもが双方で変わっていくには、信頼関係の構築が大切です。

投げ出したくなるような悩ましいクラス運営かもしれませんが、どうか子どもの成長を信じ、諦めずコツコツと大切に関わってみて下さい。

3か月、半年、そして1年後には子どもはもちろん、保育士のあなたも成長し変化していることでしょう。

子どもに寄添い成長を見守り促すことは、クラス運営の楽しさややりがいにつながっていくはずです。

周囲の協力が得られないことも…そんなときは?

いくら説明し、周囲のスタッフに協力を得ようとしても、なかなか理解してもらえないこともあるでしょう。中には、日々の頑張りを認めることをせず、クラス運営がうまくいっていないということに関して注意や指導を受けることがあるかもしれません。

力不足を感じ、出勤をするのも嫌になりますね。
頑張りを否定されたようで、笑顔で子どもの前に立つことも辛くなるでしょう。

それは、あなたが悪いわけではないのです。
保育とは、クラス担任はあっても園のスタッフみんなで行うものです。

そういった理解がなく、責められるばかりでは頑張りもきかなくなることでしょう。

保育士の仕事上、年度途中で辞めることはなかなか難しいものがあります。何より、子どもたちにとって残念でさみしいことになってしまいます。

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